はじめに
インフラエンジニアとして活動してきた私は、キャリアの幅を広げるためJava SE 11 Programmer I、II(通称Java Silver、Java Gold)の資格を取得しました。この挑戦の背景には、インフラエンジニアからフルスタックエンジニアへの転向を視野に入れていることがあります。
本記事は、開発経験が少ない方や異業種からIT業界に転向を考えている方が、Java Gold資格取得を目指す際の参考となることを目的としています。
私はJava SilverとGold両方に合格していますが、本記事ではより高度な知識が求められるJava Goldの取得体験を中心に解説します。
もちろん、Java Silver取得を目標としている方にとっても参考になると思います。
筆者の知識レベル
インフラエンジニアとして働いており、業務でシェルスクリプトを書いたり、趣味で個人開発をしていたこともありました。
そのため、プログラミングコードを読み解く基本的なスキルは持ち合わせていました。
しかしJavaに関しては、学生時代に基礎を学んだ程度で、当時から言語仕様は大きく進化しており、資格取得に向けた学習を始めた時点では「ほぼ初心者」といった状態でした。
Java Goldとは
Java Gold(Oracle Certified Java Programmer, Gold SE 11)は、中上級者向けの認定資格です。
Oracle公式サイトによると、この資格は以下のように位置づけられています。
Oracle Certified Java Programmer, Gold SE 11 認定資格は、設計者の意図を正しく理解して独力で機能実装が行える中上級者向け資格です。 Javaアプリケーション開発に必要とされる汎用的なプログラミング知識を有し、設計者の意図を正しく理解して独力で機能実装が行える能力評価することを目的としています。
重要なポイントとして、Java Goldを取得するためには、事前にJava Silverの資格を取得していることが前提条件です。
各試験の詳細は以下の通りです:
Java SE 11 Programmer I (Java Silver)
- 試験名:Java SE 11 Programmer I
- 試験番号:1Z0-815-JPN
- 出題形式:選択問題
- 試験時間:180分
- 出題数:80問
- 合格ライン:63%
出典:https://www.oracle.com/jp/education/certification/javase-11-programmer-1/
Java SE 11 Programmer II (Java Gold)
- 試験名:Java SE 11 Programmer II
- 試験番号:1Z0-816-JPN
- 出題形式:選択問題
- 試験時間:180分
- 出題数:80問
- 合格ライン:63%
出典:https://www.oracle.com/jp/education/certification/javase-11-programmer-2/
資格取得までの道のり
私の場合、Java SilverとJava Gold、それぞれの資格について学習開始から取得まで、それぞれに約2か月、合計で約4か月を要しました。学習時間は平日の仕事終わりに2〜3時間、休日に数時間程度を確保し、コンスタントに継続することを心がけました。
試験はピアソンVUEから申し込みを行い、試験会場で受験しました。
学習方法
教材と学習アプローチ
使用した教材は、業界で「黒本」として知られる徹底攻略Java SE 11 Gold問題集[1Z0-816]対応と、生成AIの2つのみです。この組み合わせが非常に効果的でした。
私が実践した学習プロセスは以下のとおりです。
- 黒本を1周通して学習する
- 理解が難しい概念は生成AIに質問して明確にする
- 模擬試験に挑戦する
- 苦手分野を特定し、生成AIに問題を作成してもらい集中的に練習する
効果的だった学習のコツ
- 黒本の活用法: 黒本に掲載されている問題はそのまま、あるいは一部変更された形で実際の試験に多数出題されます。模擬問題を含めたすべての問題を完全に理解することが重要です。
- 「試験対策」セクションの重点学習: 黒本内の「試験対策」の内容と明記されたセクションはとくに重要です。これらの箇所は何度も復習し、確実に理解してください。
- 理解しづらい箇所の対処法:(私個人の見解です)Javaの知識が不足していたためか、黒本の解説が分かりにくいと感じる箇所が多くありました。そのような場合は躊躇せず生成AIを活用しましょう。概念の説明を求めるだけでなく、サンプル問題を生成してもらうことで理解が格段に深まります。
- 問題解答の理解: 単に正解を覚えるだけでなく、なぜその回答が正しいのかを理解することが肝心です。解説が不十分だと感じた問題は、生成AIに問題を入力して詳細な解説を求めることで、概念の本質的な理解に繋がりました。
試験当日
持ち物
ピアソンVUEでの受験にあたり、重要なのは本人確認書類です。2種類の身分証明書が必要となります。
私は以前にAWS認定資格も受験しましたが、Java資格も同様の本人確認プロセスでした。
詳細については、ピアソンVUEの本人確認書類についてのページで確認できます。
受験方法(会場受験かオンライン受験か)によって当日の持ち物や準備が異なる場合があるため、ご自身の受験形式に合わせて事前に確認されることをオススメします。
時間配分やコツ
時間配分
Java Gold試験は、80問に対して試験時間が180分と設定されており、単純計算で1問あたり約2分25秒の時間があります。これは比較的余裕のある配分ですが、効率的な時間の使い方を意識しましょう。
重要なのは、難しい問題に固執せず、フラグを立てて後回しにすることです。後の問題のサンプルコードが、前の難問のヒントになることも少なくありません。
また、すべての問題を解き終えた後に見直す時間を確保することで、ケアレスミスを減らすことができます。
試験のコツ
Java Gold試験は、典型的なベンダー試験形式で、4〜6個の選択肢から正解を1つまたは複数選ぶ問題が出題されます。
試験を効率的に攻略するための具体的なコツを以下にまとめました。
- 消去法の活用: 明らかに間違っている選択肢から消していくことで、正解の可能性を絞り込みます。一見難しく感じる問題でも消去法で攻めると回答までたどり着く場合があります。
- 問題の優先順位付け: 即答できる問題、考えれば解ける問題、難しい問題と分類し、難しいと判断した問題は迷わず後回しにします。試験全体を通じて、他の問題の情報が難問のヒントになることもあります。
- 黒本との関連性の意識: 実際の試験では、黒本に掲載されている問題から一部変更された問題が多数出題されます。わからない問題に遭遇したら、黒本で学習した類似の問題を思い出してみましょう。
- 問題文の注意深い読解:「コンパイルエラーになるもの」「正しいものはどれか」「間違いはどれか」など、問題の指示内容によって回答の視点が180度変わります。問題の冒頭と最後の一文はとくに注意深く読みましょう。
まとめ
本記事では、インフラエンジニアとしての私がJava Gold資格取得に向けて取り組んだ学習プロセス、試験準備、そして受験当日の体験を共有しました。
新しい分野での資格取得ということで初めは合格できるか不安でしたが、黒本と生成AIの活用により比較的短期間で合格することができました。
これからJava Gold資格取得を目指す方、とくに開発経験が少ない方やキャリアチェンジを考えている方にとって、本記事が少しでも参考になれば幸いです。