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Public IP InsightsでパブリックIPアドレスの利用状況を確認してみる

はじめに

以前の記事で2024年2月1日からAWSサービスで利用するパブリックIPv4アドレスが有料化されたことを書きました。

記事の中で有料化の背景やパブリックIPv4アドレスを使用している主なAWSサービス、利用料金などについて記載しています。
またパブリックIPアドレスの利用状況を確認する方法として、AWSマネジメントコンソールで請求情報を確認する方法とCost Explorerで確認する方法について記載しました。
ただし、これらの方法はパブリックIPv4アドレスの利用時間や費用の確認はできても、どこで利用されているのかまでを確認することはできません。
今回は、詳細な利用状況を把握するためにPublic IP Insightsを用いる方法について説明します。

Public IP Insights

Public IP Insightsは、AWS環境内で使用しているパブリックIPv4アドレスを確認できるサービスです。
パブリックIPv4アドレスの有料化に合わせて開始されたサービスになります。
Public IP Insightsを使うことで、EC2やロードバランサーなどで使用しているパブリックIPv4アドレスを確認することでき、意図せずに使用しているパブリックIPv4アドレスを見つけ出すことができます。
またPublic IP Insightsは、無償で利用することが可能です。

なお、Public IP Insightsは、Amazon VPC IP Address Manager(IPAM)の機能としてサービス提供されているため、利用にあたっては、IPAMがセットアップされている必要があります。
IPAMを使うことで組織的なIPアドレス管理を行うことができるようになります。
本記事においては、Public IP Insightsで用いてパブリックIPv4アドレスを可視化することを目的としているため、AWSアカウント単体でIPAMをセットアップする手順で説明を行います。

Public IP Insightsのセットアップ

Amazon VPC IP Address Manager(IPAM)のセットアップ

Public IP Insightsは、Amazon VPC IP Address Manager(IPAM)の一機能です。
Public IP Insightsを使うためには、まずはIPAMのセットアップが必要です。

VPCの左メニューからVPC IPアドレスマネージャー をクリックします。
Amazon VPC IP Address Manager画面に遷移後、左メニューのIPAMをクリックします。
IPAMの画面に遷移後、IPAMを作成ボタンをクリックし、IPAMの作成を行います。

IPAM TOPページ

IPAMの作成画面に遷移後、必要な項目を入力します。
データレプリケーションを許可にチェックを入れないと作成は行えません。
またIPAMの枠は、無料利用枠を選択します。IPアドレスを参照するだけであれば無料枠で確認できます。
その他、利用中のリージョン情報など必要な項目を入力して、IPAMを作成ボタンをクリックします。

IPAMを作成

以上で、IPAMが作成されます。

注意点

IPAMの情報は更新に多少時間が掛かります。 IPAMの作成直後は、パブリックIPが見つかりませんと表示される場合があります。15分程度待ってからが再度参照するとPublic IP Insightsを確認できるようになります。

パブリックIPが見つかりませんと表示される場合

Public IP Insightsの使い方

IPAMの作成が完了するとPublic IP Insightsを確認できるようになります。
日本語の表記の場合、パブリックIPに関するインサイトと表記されます。

パブリックIPに関するインサイトをクリックすると使用しているパブリックIPv4アドレスを確認できます。

Public IP Insights

ここで表示されているパブリックIPv4アドレスは、IPAMを作成した際に指定したリージョン内で利用中のアドレスとなります。
他のリージョンを追加したい場合は、IPAMの設定を編集して対象のリージョンを追加してください。
他リージョンを追加することで対象に追加されます。

他リージョンを追加

割り当てされていないEIPが存在する場合は注意を促してきます。

未割当

注意点

新しいIPアドレスのPublic IP Insightsへの反映は、IPAMのセットアップ直後と同様に時間が掛かるようです。
15分程度で反映することもあればそれ以上待つこともあります。

Public IP Insightsで確認できる項目

Public IP Insightsでは、AWSで使用しているさまざまなIPアドレス情報を確認できます。
確認できる項目については、公式ドキュメントを参照してください。  

まとめ

Public IP Insightsを利用することで意図せずに使用しているパブリックIPv4アドレスを一覧で確認できます。
定期的に確認し、不要なIPアドレスを削除することでコスト削減を行うことができます。
無償で利用できるサービスなので、ぜひ活用してください。