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初心者向けAWS解説シリーズ~EC2とは何かその2~

本稿は、初心者向けAWS解説シリーズ~EC2とは何かその1編~の 続きになります。
前回、「EC2インスタンスのコスト」という項目で料金プランについて 触れましたが、今回はEC2に適用される購入オプションや
リザーブドインスタンスについて触れていきます。

購入オプション:Savings Plans

Savings Plansは、1年または3年単位で1時間につき何ドル分AWSを
使うという契約をして、対象AWSリソースの料金が割引になる
割引プランです。
前回紹介したオンデマンドインスタンスと比較して最大72%割引される仕組みです。
(2023年3月現在)

https://aws.amazon.com/jp/savingsplans/
公式:Savings Plans

このSavings Plansは考え方が特殊で、プランの種類によって
適用される範囲がEC2以外のAWSリソースにも適用される
場合があります。

Compute Savings Plans

EC2、Lambda、Fargate全体の使用量へ適用される
割引プランになります。
最大66%の割引が受けられます。
インスタンスファミリー、サイズ、AZ、リージョン、OS、テナンシーすべてに対応していて、EC2、Lambda、Fargate全体の
使用量に対して自動で割引を受けることできます。

EC2 Instance Savings Plans

同じリージョン内のインスタンスファミリーに
適用される割引プランです。
最大で72%の割引が受けられます。サイズ、AZ、OS、テナンシーには影響されません。
同じリージョン内であれば、選択したインスタンスファミリーの料金を削減できます。
たとえばWindowsを実行するc5.xlargeからLinuxを実行するc5.2xlargeに移動しても、自動で適用され割引を受けることできます。

さらに支払いオプションで前払いを選択すると、割引率はより大きくなります。
それぞれの割引率を比較すると、
前払いなし<一部前払い<全額前払い
になります。

各支払い方法の定義は以下になります。

  • 前払いなし:毎月契約した分を支払う
  • 一部前払い:契約期間になる1年または3年の半分の金額を最初に支払い、残った金額を毎月均等にして支払う
  • 全額前払い:契約期間である1年または3年間の金額をすべて一括で前払いする
    になります。

リザーブドインスタンス

ここからはリザーブドインスタンスの種類で前回触れなかったものに
ついて記載します。

リザーブドインスタンス:スタンダードリザーブドインスタンス

スタンダードリザーブドインスタンスでは、
購入時に指定したインスタンスファミリ(m3/m4/c3/c4/r3など)、アベイラビティゾーン、OSを途中で変更することはできません。
支払い方法はSavings Plansと同じ3種類です。
オンデマンドインスタンスと比較して最大60%の割引になります。

リザーブドインスタンス:コンバーティブルリザーブドインスタンス

従来のリザーブドインスタンス(スタンダードリザーブドインスタンス)では、料金適用期間中、購入時に指定した インスタンスファミリ(m3/m4/c3/c4/r3など)、アベイラビティゾーン、OSを途中で
変更することはできませんでした。
コンバーティブルリザーブドインスタンスでは、
適用期間中でもインスタンスファミリとOSの変更が可能になります。
支払いオプションはSavings Plansと同じ3種類です。

オンデマンドインスタンスと比較して最大54%の割引となり、
スタンダードリザーブドインスタンスに比べ割引率は劣りますが、
長期的な変動リスクがあるリザーブドインスタンスの採用に悩む場合は、こちらの採用を検討してみるとよいでしょう。

以前はスケジュールリザーブインスタンスがあったのですが、いつの間にか無くなってしまった様です。

https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AWSEC2/latest/UserGuide/ec2-scheduled-instances.html
公式:Scheduled Reserved Instances

終わりに

今回は、EC2に適用される購入オプションやリザーブドインスタンスを紹介しました。
見積もりを作成する時や、試算時より割引がされている時は、
こういった項目が適用されていないか確認してみると、
割引がどこで行われているか分かり、説明する時もスッキリします。